Skip to content

星の王子さま 朗読会

Posted in ARCHIVE

星の王子さま朗読会に行ってまいりました。
元々星の王子さまは好きで、ペルソナ4で出した「文学少年」でも取り扱ったりしてました。
今回、偶然ツイッターで蒼井翔太さんと沢城千春さんが出演されると知って、「うわー鍵介と主人公が星の王子さま読むの!」と興味をそそられ、キャスティングでもう自動的に観に行くの決定しました(笑)
星の王子さまが蒼井翔太さん、ばらとへびが沢城千春さん……
もう抗えないキャスティングです私的には。

忘れないうちに感想兼ちょっとしたレポートを。

当日はフォロワーの朔芽さんも当日券を買われて一緒に観劇!
会場まで一緒に行って頂けて、方向音痴なもにゃきり、いつも東京では助かります……ありがたい。

14:00の回は満席になっていたので、18:00の回を観ました。
プリントサイン入りのTシャツも欲しかったんですが、案の定夕方の回では売り切れ。
パンフレットだけ購入させていただきました!

装丁がオシャレ~~~かわいい。
中身はさすがに控えさせていただいた方がいいかな……
かわいいキャラクターのイラストとキャストさんのコメントです。
パンフレットも劇中歌もTシャツ(サンプルだけあった)も素敵だったので、またグッズ通販とか再販とかあればいいなぁと思いますが、難しいかなぁ。
Tシャツ欲しかった……

当然と言えば当然なのですが、お客さんはほとんど女性でした。
パンフレットを買って初めて気づいたのですが、近頃話題の「ユーリ on ICE」で勇利を演じておられる方、「刀剣乱舞」などで加州くんを演じておられる方など、かなり豪華な声優陣だったようです。
(最近の声優さん事情に疎くて申し訳ない……完全にカリギュラの影響で、蒼井さんと沢城さんお目当てでした)
また、朗読会×オーケストラということで、BGMはクラシック音楽。しかもオーケストラの生演奏。
凄く雰囲気があって、朗読も音楽も耳に心地いい朗読会でした。

◆「ぼく」と王子さまの出会いのシーン
蒼井翔太さんの星の王子さま! 凄くかわいい。
最後のご挨拶で普通にお話くださったとき思ったんですが、地声が高めなんですね!
いやーかわいい。本当にかわいい。鍵介の時は低めにしてたんだなー。
ショタ鍵介とか思っていません。本当です。本当ですよ!!!(嘘です)
王子さま、原作通りとても無邪気で可愛いんですけど、もう蒼井さんのお声で聴くと可愛さ爆発でした……
「ぼく」が王子さまの話を適当に流していたら、王子さまが泣いちゃうんですけど、もう反則並にかわいい。
こんな子が泣いてたら、そりゃ「ごめんよぉ!!!」ってなるよね!!!w
原作でも、『のどの渇きも死も、僕にはもうどうでもよかった。ある星に、惑星に、僕の星に、地球に、なぐさめてあげなければいけないちいさな王子さまがいるのだから』ってあるシーンですが、まさにそんな感じ。

◆王子さまとばらのシーン
早速お目当てのシーン第一弾。
沢城さんは今回の朗読会で、唯一の女性役をやった役者さんだったんですが、かわいい。
ほんまかわいい。ばらちゃんほんまかわいかったです。三回書くくらい。
「ついたてをたてて」とか「硝子の覆いをかぶせて」とか、わがまま言うシーンが、カリギュラでいうなら小さなミレイ様みたいでした。
ここで蒼井さんの歌う挿入歌があって、実は初めて歌を聞いたので感動。
いやもうお噂はかねがねって感じだったんですが、上手い。素敵でした。
オーケストラの演奏で生歌。初めて聞くには凄く贅沢な体験させてもらったなぁ、という感じです。
ばらとの別れのシーン、沢城さんの「おしあわせにね」が響きました……切ない。
その後ばらの独白が追加されていて、
「わたくしったら意地をはって、こっけいだわ」
「わがままをたくさん言って、あの子を困らせて」
「でも、あの子の困った顔が、また可愛いのよね」
「本当は、あの子のこと大好きだったのよ」
「失ってから気付くなんて、ほんとうこっけいだわ……」
(セリフうろ覚えですすみません)
このあたりが凄く印象強かった……かわいい。素直になれないばらちゃん本当に可愛すぎる。
すれ違いっていうのは、本当に昔から人の心を打つなぁと思います。

◆王様の星、うぬぼれ屋の星、酔っぱらいの星、ビジネスマンの星
「僕、夕日がみたい!」が可愛い。王様もかっこいいお声でしたね……
鍵介が好きなんでついそっちに引っ張られて見てしまうんですが、王子さまが「大人ってへんだな」とかいうたびにドキドキしてしまいます……

うぬぼれ屋さんはギャグ三連発が面白かったwww
うぬぼれ屋「どうや、おもろいやろ!?」
王子さま「おもしろく、ない!!!」
のやりとりに笑ってしまったw
あと、役者さんが関西弁初! だったらしいんですが、全く違和感なかった関西人です。
いやー、役者さんってすごいなぁ。

酔っぱらいさんは「ぼく」の方と同じ役者さんだったんですが、上手いwww
恥ずかしがりの演技が本当に上手で、台本で顔を隠したり、ちらっ……って蒼井さんを見たりとか。
声以外にもちょこっと身体で演技して、引き込まれました。
うぬぼれ屋に対して酔っぱらいは「自分に自信がない」「恥ずかしい」と思うキャラクターなので、「容姿に自信がない」とか「喋るの嫌」とかネガティブなんですけど、それを元に王子さまに絡む回数も多くて面白かったw
酔っぱらい「カワイイ顔してるもんな、お前。そういうの悩んだことないだろ」
王子さま「うん」
酔っぱらい「認めたな、今! ……綺麗な顔しやがって……」
アドリブなのか、そういうやりとりが本当に可愛いw
蒼井さんが、「綺麗な顔しやがって」でいちいち顔を覆うのも可愛いw
ほんま綺麗な顔しやがって……(笑)
うぬぼれ屋さんが若干イケPに見えたの私だけでしょうか……

ビジネスマン。 きびきびした大人なんですけど、ちょっとずるい大人みたいな。
星を勝手に所有して勝手に悦に入っている人。
最後、「私の所有している星が一つ減った!?」から、 王子さまに「キミの星をくれ!」「ついでにキミも私のものになれ!」の流れは笑いました。
あんたそれはアカンて……w
気持ちはわかるけど、綺麗な顔してますけどアカンて……←
ひぇっ……ってなった腐った私を許してほしい。

原作ではこのあと、ガス灯の星と地理学者の星の話がありますが、朗読会ではここまで。
後の二つもとっても素敵な話なので、原作もお勧めです!
王子さまがこの後地球に来る前で、第一幕が終了しました。

◆砂漠・へび
お目当てのシーン2つ目。地球に来て初めて、へびと会話するシーンです。
原作では無機質な感じのへびですが、なんか気さくなお兄ちゃんって感じ。
優しいね、と言われると「優しくない!」って反論するツンデレ。
ツンデレ部長……萌えしかない……(顔を覆う)
もし、王子さまが自分の星に帰りたいなら力を貸す、とへびは言います。
本当に善意から王子さまに言葉をかける感じで、優しいへびさんでした。
私的に、原作でのへびというのは、キャラクターというよりは自然現象みたいな印象だったんですね。
避けられないものというか……それが人間味のあるキャラクターになっていて、よかったなぁ。
へびとのシーンはもう一回来るのですが、それを思うとなんか、ほんと、寂しくて優しくて切ないシーンですよね……
ここに戻って来るってことは、永遠にお別れすることなんですから。
ばらとへび、両方大好きなキャラクターなんで、沢城さんが演じてくれて本当に嬉しかったなぁ。

◆庭園のばらたち
地球を旅するうちに、王子さまがとある庭園に辿りつきます。
そこにはかつて王子さまが愛したばらと同じ種類のばらが、五千も咲いています。
このシーン本当に好きなんですよね……切ない。
「ぼくのばらはこの世でたった一つだと思っていたのに、大したものじゃなかったんだ」
ってまた王子さまがわんわん泣くんですけど、可愛いんですけど切ない……
周りを見たとき、なんだかすごすぎて、今まで大事にしてきたものや価値があると思って抱きしめていたものが、急にみすぼらしく見えたり悲しくなったりすることありますよね。
なんも変わらないのにね……

◆きつね
きました!!! きつね!!!
このシーンも好きなんです!結局全部好きなんやろ!
せやで!!!!!
きつね役の方はうぬぼれ屋と同じ役者さんだったのですが、また全然雰囲気が違って素敵でしたね~。
特別になるとかならないの話をするんですよ。
特別になるってこういうことだよ、簡単じゃない、特定の誰かに時間をかける、気持ちを割くってことだよ、それで特別になったら、別れがこんなに辛いんだよ、っていう話。
王子さまが出発するとき、「仲良くならなきゃよかった」「そんなことないよ」っていうシーン、気持ちがこもってて素敵でした。
きつねの「君の髪色と同じ麦畑があるから大丈夫」っていうシーン、本当に好きです。
あと、仲良くなったものには責任があるっていう言葉ね……

その後、もう一度ばら庭園に戻って、王子さまは自分の持っていたばらの価値に気付きます。
時間をかけて絆を結んだばらと、綺麗なだけの何千のばらは違う。
それが好きってことなんだよなぁ、愛ってことなんだよなぁ……

いやぁもうキャスティング大勝利だなあ……

良い話してるのにね……本当にありがとうございます。
鍵介が焦がれた「唯一無二の僕」「特別な僕」というのは、本来、そうやってなっていくものなんですよね。
μの力とか、ぽっと与えられた力で集めた羨望じゃなく、自分のもっていたもの、傍にあったもの、そういうものに時間をかけて、いつしか自分の愛するものになっていくんですよね。
『人間たちはもう時間がなくなりすぎて、ほんとうには、なにも知ることができないでいる。なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友達を売ってる店なんてないから、人間たちにはもう友達がいない』
きつねが言う通りなのかもしれないな、って思います。
王子さまが蒼井翔太さんで、ばらが沢城千春さん。
本当にありがとうございますとしか言えないキャスティング……

ここでもう一度蒼井翔太さんの挿入歌。
最初の歌の歌詞違いです。

◆砂漠の井戸
回想を終えた王子さまと「ぼく」が井戸を探しに出ます。
星の王子さまで最も有名な一文が出てきますね。
「たいせつなものは目にみえない」
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから」
このセリフを蒼井さんのお声で聴けるとか、もう一生ぶんの徳を積んだ感じです。
途中で王子さまがつかれて眠って、「あーあ」って、含み笑いしながら「ぼく」がおんぶしてあげるのが可愛くて可愛くて。
別れに向かっていくシーンなので、この井戸のシーンはほんと好きなんですけど、切ないんですよね。

◆お別れ
王子さまが地球にやってきてちょうど一年。
王子さまは「ぼく」と別れて、へびにお願いして自分の星に帰るというはなし。
原作でも明記はされないんですけど、王子さまが自分の星に帰る=へびに噛まれて毒で……みたいなはなしなんですよね。
王子さまの星は遠すぎて、身体が重すぎてそのままじゃ帰れないって書いてあります。
「キミの毒は僕を長く苦しませたりしないよね?」
って不安げな王子さまの演技がなんかもう、胸が締め付けられました……
へびも優しい感じで、「ああ、大丈夫だ」って、包容力すげえよへびさん。

主鍵……包容力主鍵……ってひたすら思っていた私を許してほしい。
いや、シナリオ上そういう話なんで当たり前なんですけど、自ら毒牙にかかりにいくってシチュエーションほんまずるいですよね……
キャスティング大勝利(n回目)
ここだけの話、へびの声のトーンがダイレクトに部長でしにそうでした。

ここで蒼井さんと「ぼく」役の豊永さんのデュエットで歌になるんですけど、これが本当に「どうしてCDにならないの!!!」ってレベルですごかった。
本当にCD出ないのかな……出たら速攻買うのに……

あと、別れを悲しむ「ぼく」に、王子さまは頑なに帰るって言い続けるんですよね。
あのばらに責任があるから、って。
鍵主……一途な鍵主……ってひたすら思っていた私もついでに許してほしい。
だから沢城さんが「ばら」と「へび」ってやばいって言ってたんですよほんと。
私を殺しに来てます確実に。

このあと、王子さまは「ぼく」の元を離れてへびの元へ。
最後のへびと王子さまの会話。
王子さま「痛くしないでね…」
へび「さー?どうだろうな?」
王子さま「昨日はそんなこと言わなかったくせに!」
へび「ははは、ジョーダンだよ」

……しゅ、主鍵……(ごめんなさい)

王子さまはへびのお陰で星に帰って、あとは「ぼく」の視点になります。
原作にはない、王子さまが帰ったあとのへびやきつねのセリフなんかもあったりして。
「最期は涙でぐちゃぐちゃだったけど、ありがとうって言ってた」
ってへびのセリフもまた優しくてもうほんと……沢城さんって凄い役者さんなんだなぁ。

最後に豊永さんの歌が入って、エンディングへ。
豊永さん、涙声だったような気がしたんですけど、泣いていらしたのかなぁ。

◆ばらとの再会
原作にはないエピローグ。
王子さまが自分の星に戻り、ばらと再会します。
王子さまの可愛らしい「ただいま」と、涙声のばらの「帰って来てくれたの?」がぐっときました。
とうといかよ……本当に尊いかよ……ってなりました。
「わがままばっかりいって、ごめんなさい」
「ううん、もういいんだ。僕も子供だったから」
このセリフにぎゅんぎゅんきすぎて死にそうでした。
鍵主的にもこのやりとり本当にダメでした。最高でした……
最後に王子さまが「また二人で楽しく暮らそうね」って笑うのがもう。
二人が幸せに暮らすその場所がどこか、それを考えるのは野暮なんですけど、考えてしまうと切なさでつぶれそうで。
本当、『たいせつなものは目にはみえない』し、『失ってから気付くなんて、こっけい』なんだな、って思います。

◆アンコール
二回出てきてくださいました。
一回目は蒼井さんのご挨拶のみ。
二回目では豊永さんのコメントも。
再度「綺麗な顔しやがって」を頂いて会場が爆笑。
本当に、蒼井さんが言われるたびに顔を覆うのが可愛いw

大変駆け足でアレなのですが、星の王子さま朗読会、こんな感じでした。
一日しか上演しない、というのがうそでしょ、と思うくらいクオリティが高く、とても素晴らしい朗読劇でした。
また機会があれば、蒼井さん、沢城さん、他の役者さんの舞台も観に行きたいなと思います。

ありがとうございました。

以下の書籍から一部の文章を引用させて頂きました。
星の王子さま 新潮文庫 サン=テグジュペリ著・河野万里子訳