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Distorted Happiness英語版考察

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とりあえずこれを見てほしい。
4/8から始まるカリギュラのアニメPVの英語版が出来たとのことで、一目散に見てきました。

Distorted Happinessの英訳版!!!

これはもう訳すしかないし考察するしかない。
趣味です。これはもう私の楽しみのためにだけやる娯楽です。
繰り返す。これは私のフェチです。
二言語以上で訳してみた、というものにどうしてもロマンを感じるのです私は!

例えば、同じ映画を字幕版と吹き替え版、二回見に行く人の気持ちが私にはよくわかるのです。
違う訳者さんの訳だからと、同じ本を二冊買う人の気持ちも、私にはよーーーーくわかるのです。
一つしかないと思っていた意味が、別の言語で訳されることによって「こういう意図もあったのか!」とまた別の意味を呼んで、再度感動させてくれる。
そういう感動があるのです、というかあったのですこの歌詞にも!!!

めっちゃ一人で盛り上がってますけど、本当に英語版ありがとう。
叶うかわからないけど、他の歌も英訳されるのなら本当に待ってます。

続きからもにゃが勝手に考察した英語版Distorted Happinessについての文章です。
正直英語の賞味期限も切れてしまっていて、間違っているところもあるかも知れませんが、お時間と興味のある方はお付き合いください。

上記の動画より英語版の歌詞を引用させて頂いております。
原曲(日本語版)の歌詞については記載していません。
是非、Caligulaのオリジナルサウンドトラックを購入後、歌詞と原曲をお楽しみください。

 

 

歌詞の記載方法

英語版歌詞引用部分

和訳(なるべく英語→日本語への直訳になるよう訳しました)
・解説

* * *

Sweet lies painted over a landscape
優しい嘘は景色を塗り潰す
・painted over~で「~を塗り潰す」。

Days stretch on forever
日常を延々と引き延ばす
・stretch onで「~を引き延ばす」。
・stretchは「引き延ばす」「無理に働かせる」「水増しする」「張りつめる」など。
・元々のキャパシティを超えて無理に動かす、というニュアンスが入っている?

Somewhere far, far away from the injustices of the world
世界の理不尽から遠い、遠いどこかで
・Somewhere(どこか)をfar以下が修飾している
・injusticeで「不当」(原作から理不尽と意訳)

My love for you is irreplaceable
君への愛に代えは効かない
・irreplaceableで「代えのきかない」、「かけがえのない」

My hatred of you is unbearable
お前への憎悪は耐えがたい
・haterdは名詞、「憎悪」
・unbearableで「忍び難い」、「耐えられない」

An endless Mobius strip
終わることのないメビウスの輪
・Mobius stripで「メビウスの輪」。固有名詞のため頭が大文字。

Why do you want to run away?
どうして逃げたいの?
・特になし

When all the happiness in the world is right here(,) She smiles…
この世界の全ての幸福がここに在るとき、彼女は微笑む
・When all~hereまでがwhen構文? カンマが省略されている?
・↑と仮定すると、「世界の全ての幸福がここに存在する」と、「彼女は微笑む」という意味になる。
・日本語原作版と少し意図が違う?

A world without you, without you, without you
君のいない、君のいない、君だけがいない世界
・今まで全て「the world」だった「世界」がここだけ「a world」。
※ここは凄い長くなるので後述しますさせてください。

I can’t accept it, won’t accept it
私はそんなもの認められない、認めたくなんてない
・acceptで「容認する」「認める」「受け入れる」。
・他にも「認める」という言葉はたくさん存在する(allowとかpermitとか)が、一番一般的なもの。
・個人的には「物事を正当に精査した(された)上で全て受け入れる」という感じの単語。
・試験受かったわ~とかのときにも使う。
・can’tで「~することが出来ない」
・won’tで「~したくない」。will notの短縮形。
・willは意思を表し、否定形の場合はかなり強い否定を表す。テコでもやらない。

You’re right here
君はここにいる
・特になし

As long as you’re here, you’re here / you’re here, it’s all I need
君さえいれば、君さえいれば、君さえいれば、それだけでいい
・As long as~で「~である限り~だ」。
・all I needで「私の望む全て」。
・it’s all I needで「それが私の望む全て」。(原作から「それだけでいい」と意訳)

Your smile and this world…
君の微笑みとこの世界が
・特になし

May it last forever
永久に続きますように
・mayで「~でありますように」などの願望を表す。
・願いの中でも特にかしこまったもの、目上の存在への「祈り」に使う。
・lastで「続く」「継続する」「存続する」。
・keepなどと違って、長い、あるいは大きなものごとが、ある程度の緊張感をもって続く場合に使う気がする。
・例:「戦争が○年続く」「永遠に続くものなどない」など。

 

※the worldとa world。二つの「世界」について※
・この歌詞には二つのworld(世界)が出てくる。
・歌詞を見る限り、メビウスのことを指して「世界」という時は「the world」を使っている。
・現実世界のことを指して「世界」という時は「a world」を使っている。

?the worldとa worldの違いは?
・theは「原則として唯一無二のもの」に付けるもの。
(鍵介くんがなりたいものです。だから皆さんこぞってthe鍵介くんと呼んであげてね。嘘だよごめんね)
・a(an)は「特に指定しないがとりあえず一つそこにあるもの」に付けるもの。

・「この世に絶対に一つしかないもの」には必ずtheがつきます。
・例:地球、月、太陽といった天体。この世に一つしかないと確定しているので。
・ごくごく一部の例外を除き、「world」という単語を「a world」と書くことはほとんどない。

?じゃあそのごくごく一部の例外って?
・「私たちがいるこの世界以外にも世界がある可能性がある」という論調の時のみ「a world」が使われる。
・例1:ファンタジー文学において異世界の存在を語る場合。(異世界トリップものとか)
・例2:宇宙工学などにおいて、他惑星についての情報を記す場合。

?だからつまり何が言いたいねん?
・この「a world without you」とはこの歌詞を書いた人にとっての「現実世界」のこと。
・本来ならここは「the world」と記すべき(私たちの住んでる地球はこっちだから)。
・なのに、この歌詞の中ではメビウス=the world 現実世界=a worldになっている。あべこべ。
つまりこの歌の歌詞を書いた人にとっては、メビウスが唯一無二の「現実世界」で、現実が「空想上の世界」である。
つらい。
・この英訳やった人は確実にソーンというキャラクターを読み込んだ上で訳してる。
このつらさと感動を誰かと共有したい。
プレイしてない人はプレイしてくれ、あるいはアニメ見てくれ。
そしてもう一回この歌聞いてくれ。