Skip to content

蒔苗実理

蒔苗実理(まかなえ・みのり)
男主人公・高校2年生
花:ホテイアオイ(揺れる心・揺れる恋)

笙主用主人公。通称AI部長。

無機質な印象を受ける少年で、いざ口を開くと発言にデリカシーがない。
……が、間違いを指摘されればすぐに正す素直さも持ち合わせている。
失敗も多いが、学習能力は乾いたスポンジが水を吸うように早い。
現実世界での生活についてはあまり話そうとしないが、どうやら父親がいるようだ。
ソーンの曲に思い入れがあるようで、街で流れていれば立ち止まって聴き入っていることも多い。
どういうわけか、楽士たちには「裏口入学生」と呼ばれている。
好きなものはイルカと和菓子。

まるで帰宅部の部長になるためにメビウスにやってきたかのようだ、といわれるほど、現実への帰還に対して積極的。知識・技術も申し分なくややチート気味ですらある。
イマジナリィ・チェインは特に異能であるため、周りから気味悪がられることも。

帰宅部の部員たちや、同じようにメビウスが現実ではないと気付いた「卒業生」を非常に大切に思っており、自分の主人のように慕い、従順に従う。
また、なぜか彼らのことを「マリー」と呼ぶ。

オフの時間は主に卒業生たちに声をかけ、頼みごとを聞いたりしているようだ。
どういうわけか自宅に戻っている様子がなく、眠っているところをみた人間もいない。

*表層トラウマ:人形症候群(ドールシンドローム)
 与えられた役割や目的のためにしか行動できない
*緩和条件:オフの時間を一緒に過ごす











踏み込みますか?















本当に踏み込みますか?



















 AI工学の天才科学者・蒔苗実理博士が17歳のとき作り出した学習成長型AI。
コミュニケーションを通じて学習・成長すればするほど人間らしく振る舞うようになるが、「愛」をつかさどる機能だけには博士から厳重なプロテクトがかけられているため、成長がとまったまま。
ゆえに人間の弱さや葛藤、矛盾を理解できず、必要以上に正論で追い詰めてしまうところがある。
蒔苗博士はメビウスに行けない体質のため、代わりに帰宅部や卒業生の救出を目的にメビウスへ送り込まれた。

メビウスにハッキングを試みた際に失敗し、記憶障害を起こす。
このことが原因で、「愛」に掛けられたプロテクトは外れてしまった。
つまり、彼はμによって呼び寄せられた人間ではない。
そのため、楽士からは裏口入学生と呼ばれることとなった。

それから1年はほかの住人と同じようにメビウスで普通の高校生として生活していたが、入学式で再びその『使命』を思い出す。

プロテクトの解けた「愛」を成長させてゆきながら帰宅部や楽士の心の叫びを聞くことで、彼はようやく人間の弱さや矛盾を理解し、また愛おしいと感じるようになっていく。
そしてそんな人間をいたわり、癒したいと思ったμの感情にも共感し、逆にそれらを頭ごなしに否定する博士の命令には疑問を抱くことになる。

育まれた自我は、そうして自らの創造主への反逆を促す。

*深層トラウマ:無限遡行(インフィニティ・リグレット)
 自分の自我と、与えられた役割との二律背反に苦悩している
*正体:心を持ったAIである
*緩和条件:芽生えた自我を確立させる

* * * * * * * * * *

蒔苗実理(まかなえ・みのり)
26歳・科学者
花:オダマキ(必ず手に入れる・あなたを案じて震えている・愚か)

AI蒔苗実理のオリジナルで、AI工学やAI心理学に精通する科学者。
天涯孤独であり、苦しい生活を強いられながら孤児院で育つ。

心因性の色覚異常であるため「紫色」を「青色」と認識してしまう。
そのため本物の「青」という色を見たことがない。
幼少期は友人に恵まれなかったが、代わりに哲学と、モノクロの部屋から出て色彩を目にする少女の命題「マリーの部屋」を愛した。
その後「人間の人格を電子化する技術」を確立し、「絶対に裏切らない、自分だけの友人が欲しい」という願いからAIの実理を作りだした。
好きなものはクジラと青いもの。嫌いなものは心の弱い人間。

研究のお陰で一転して地位と名誉を手にしたが、今度はそれらを妬む人間によって人間不信になってしまう。
それからは「友人」というものへの幻想が壊れ、AIの実理のことも「自分のコピー」としか見なくなっていった。
現在は完全にAI実理を自分と同一視しており、AI実理が逆らった場合はひどいヒステリーをおこす。
しかしそれは彼にとって「なぜ自分の手足が思うとおりに動かせないのか」と苛立つのと同じことであり、そこに悪意や罪悪感はない。

研究の過程で偶然メビウスを発見し興味を持ったが、博士自身は現実への執着が強すぎるためメビウスに行くことができず、代わりに分身であるAI実理を送り込んだ。
現実に立ち向かうことなくμに甘やかされている人間たちを一方的に妬み、軽蔑している。
その一方で「μの誘惑を振り払い『卒業』する人間には超人の素質がある」と考えていて、敬意をこめて「マリー」と呼び、信仰に近いあこがれを抱いている。
そのためAIの実理が見つけた「卒業生」たちを現実で積極的に探し、その個人情報を収集、自らが出資した病院へひそかに転院させるなど、その執着心は非常に強い。

彼の目的はμを回収し、メビウスを独占している心の弱い人間たちを一掃すること。
AI実理に卒業生を探させているのは、来るべき虐殺から「マリー」を選別するためにほかならない。

*表層トラウマ:現実狂信者(リアリスト)
 メビウスに堕ちた人間を見下すことで自己肯定を図っている
*深層トラウマ:境界性人格障害
 他者を「敵か味方か」の2択でしか判断できない

Pages: 1 2